「家族破壊に終止符を」祖国と青年2021.4

家庭破壊に終止符を!
(1)左翼・フェミニストによる家族破壊の手口

祖国と青年 3年4月号 42p~
メリーランド州立大学講師 エドワーズ博美

 少子化と家族崩壊の勢いが止まらない。男性の4人に1人、そして女性の7人に1人が生涯未婚と言う現状、さらには女性の晩婚化を鑑みると、少子化の流れも加速することはあっても止めることは出来ないのではないか。それならせめて、幼児虐待で命を落とす子供がいなくなるように、生まれてきた子供達が立派に成長して社会に貢献する大人になれるように、家族崩壊の流れだけでも喫緊に止めなければいけない、そんな思いで筆を執っている。
 家族崩壊を止めるには、まずその原因を突き止めることが大切だ。第二次世界大戦後の日本でなぜここまで家族崩壊が進んだのか、その原因とそれに対処する方法に思いを巡らしてみたい。

1.第二次大戦直後の家族崩壊

 第二次大戦後、日本を占領したGHQ内部に多数の共産主義者がいたことは、インテリジェンス研究の第一人者である江崎道朗氏により広く知られるところとなった。江崎氏はこうした共産主義者たちの平和に対する考え方を氏の著書『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』の中で次のように説明している。「レーニンや共産主義者たちにとっては、そもそも戦争の根本原因は資本家によるマーケットの奪い合いなのだから、資本家階級による国家を解体してプロレタリア独裁を打ちたてないかぎりは平和にならない。」
 共産主義者や左翼活動家たちがなにゆえ日本を弱体化するような活動に精を出すのか、この一言で謎が解けたような気がした。保守達が国家や国体を守ることに心血を注いでいるのと同様、共産主義者たちは彼らなりのイデオロギーに基づいて国家解体に心血を注いでいるのだ。間違ったイデオロギーとは言え、それが共産主義者たちにとっては正義の戦いなのである。そしてその戦い方の巧妙さゆえに、国民の知らない間に国全体が汚染されてきていることに大多数の人は気づいていない。
 第二次大戦後、GHQによる公職追放でそれまで国家を支えてきた人たちが公職から追放された。彼らが追放された後、その要職を担うようになったのがこうした偏見に毒された共産主義者達だ。
 その挙げ句、憲法から家族条項が抹殺された。大戦後GHQ主導で作成された現憲法第24条には「婚姻における夫婦同等の権利」と「家族における個人の尊厳や両性の平等」は謳ってあるが、家族保護に関しては何も言及がない。家族保護の文言が憲法に明記されなかったツケは、その後の民放および戸籍法改正でも如実に表れてる。憲法24条に適応するように改正された民放では「家より個人」に重点が置かれ家父長的家制度は全面的に廃止されてしまった。
 民放および戸籍法を起草した社会主義者たちは「家」制度廃止に向けて躍起になり、明治民法の「家」に関する既定をすべて排除してしまった。さらに家族制度の規範であり、日本人の美徳といっていい「孝行」という考えさえも、彼らは親子を一生涯において支配服従関係に置くという偏見のもと、好ましくないものとしている。その結果、新しい家族は夫婦とその未成熟の子を基本として、成熟した子との親子関係は重要視されなくなってしまった。民法改正で家父長制度が廃止され、新戸籍法では世代間の繋がりが喪失されてしまった。
 搾取する者される者、支配する者される者、こうした二者対立関係でしか物事を考えられない左翼リベラル主義者の独断と偏見で、民放および戸籍法改正が行われたと言っても過言ではない。この考えに基づいて改正された新戸籍法では、夫婦とその子のみが同じ戸籍に記載され、3世代目は認められないどころか、子供から離婚の届け出があったときはその子について新戸籍を編成するようになった。
 個人的な話になるが、私は母方の家を継いでいるので家系を把握するうえで、本籍のある熊本市役所に何度も足を運んで祖父の代に遡って戸籍を取り寄せた。祖父の戸籍が作られたのは旧戸籍法の時代で、そこには祖父の配偶者と子供のみならず、両親、兄弟、兄弟の配偶者なども詳細に載っている。除籍されるのは死亡した場合か結婚して他家に嫁いだり養子に行ったときのみだ。
 しかし、新戸籍法が3世代を認めないということを知った後、数年前に母が死亡した後に取り寄せた戸籍をもう一度じっくり見直して目が点になった。長男である兄が×で消されている。死亡したわけでも養子に行ったわけでもない。結婚したことにより新戸籍が編成されたからだ。明らかに親子関係の希薄化、そして連綿と続く家族の歴史的流れを断ち切るためとしか思われない改正だ。
 前述の江崎氏は、こうした一連の法改正による核家族化もさることながら、住居の面でも核家族化が助長されたと次のように言う。
 GHQのもとで昭和26年に公営住宅法が制定され、2DKを基本間取りとした51型という公営アパートが全国各地に建設されるようになった。実はこの51型の設計理論を主導した建築家が西山夘三と浜口ミホという社会主義者たちなのである。彼らは戦前の住宅を課長の支配する封建的住宅だと非難した。そして封建制を打破する名目で「家」の格式を表現する座敷や床の間、神棚、仏壇を排除した。代わって寝室や台所といった居住空間を重視する欧米風の間取りを採用することを提唱、しかも「若い夫婦を大家族から解放する」という名目で3世帯同居を否定し、核家族を標準家族とする2DKの鉄筋集合住宅の建設を訴えたのである。
 かくして、日本の長い伝統だった3世代家庭が消え、日本の家から昔ながらの仏壇や神棚が消えるにしたがって日本人の精神性が損なわれていった。国家解体に向けて共産主義者達がまず取り組んだのが家族解体というわけだ。それは家族解体が国家を解体するには最も効果的な方法だからだろう。これが、第二次大戦後の最初の家族崩壊だ。敗戦後の日本で国民が一丸となって経済再建に取り組んでいる最中、左翼リベラル思想に染まった人達は水面下で着々と家族破壊を進めていたことになる。

2.「男女共同参画」という名の家族破壊

 第2の家族破壊は男女共同参画という美名に隠れてやってきた。周知のとおり1995年の国連北京会議で採択された行動綱領に基づいて作成されたのが、男女共同参画社会基本法だ。それゆえ、男女共同参画を理解しようと思えば、この北京会議に跋扈して押しかけてきたフェミニスト達の実態を知る必要がある。
 アメリカにおけるフェミニズム研究の第一人者であるクリスティーナ・ホフ・ソマーズ博士は著書『誰がフェミニズムを盗んだのか』(※1)の中でフェミニズム運動の変遷を次のように説明している。
「150年以上も前に始まった第一波の伝統的フェミニズムは、選挙権や結婚、離婚、子供の養育といったことに対する同等の権利、すなわち法の下での平等を求めたものだった。
 しかし、1960年代に起きた第2波のジェンダーフェミニズムといわれるものは、世の中全てを性差という色眼鏡で見て、女性は性革命に勝利しなければいけないと説く。この第2波は60年代の反戦、反政府運動に刺激され、フェミニズムを反体制思想という過激な方向へと導いて行った。彼女たちは、ヘルベルト・マルクーゼ、カール・マルクス、フランツ・ファノン、ジャン=ポール・サルトルといった人達の本を愛読して、文化や社会制度、慣習をどのように批判するかを学んだ。
 1970年代に入り、彼女たちは男性上位の社会に対抗するために結束する喜びを見つけた。男対女、抑圧する者とされる者という観念でしか物事を見られない女性たちにとっては、もはや断片的な改革では満足できず、社会制度そのものを変革するという過激な運動へと変わって行った。」
 こうしたマルクス共産主義思想に洗脳された過激なジェンダーフェミニスト達が跋扈して押しかけたのが北京会議であり、北京会議で採択された「北京宣言」と「行動綱領」に基づいて制定されたのが「男女共同参画社会基本法」だ。共産主義者の目的が国家解体であったように、彼女たちの目的は社会制度や慣習の破壊にあり、その事始めとして家族破壊に躍起になった。
 男女共同参画社会基本法が制定された後に起きた社会の変化にそれがよく表れている。彼女たちは家父長制度を象徴する専業主婦を無能扱いし、育児の外注化を進め、「性と生殖の健康と権利」という名の中絶推進と性の解放を勧めた。さらにジェンダーフリーという言葉を広めて、男らしさ女らしさという性差を否定し、「家族の多様化」というもっともらしい言葉を使って、伝統的家族という日本古来の家族制度に対する価値観を破壊してしまった。
 基本法が制定されたとき、フェミニストの上野千鶴子は「よくこんな過激な条例を通したものだ」と小躍りして喜んだと漏れ聞こえてくる。「男女共同参画」(男女平等)という、誰もが否定できない耳あたりのよい言葉に騙され、「北京宣言」という国連のお墨付きというだけでその実態を把握しようともしなかった政治家たちの大失態である。
 しかし、少し調べれば、「北京宣言」も「行動綱領」も草案決議採択時点で60ヵ国以上の各国代表が「留保」や「解釈」という形で異議を申し立てていたのが分かったはずだ。各国から留保されたテーマの中には、「家族の定義が不明瞭で伝統的家族の重要性に関する指摘が欠如」や「個人主義が強調されすぎて真の女性の向上に繋がらない」といったものもある。
 アメリカにファミリー・ウォッチ・インターナショナル(FWI)という伝統的家族を守るために活動しているNPOがある。「性と生殖の健康と権利」に関して、FWI代表のシャーロン・スレイター氏は自身の著書『家族のために立ち上がる』(※2)の中で次のような指摘をしている。「性行動に対するあらゆる社会的規範を攻撃する運動は家族破壊運動以外の何物でもない。」中絶を推奨し過激な性教育を推奨する「性と生殖の健康と権利」という概念は、性行動を家族から解放することによって家族破壊を狙っているという。
 全世界で中絶と過激な性教育を展開する国際家族計画連盟(IPPF)の加盟団体である全米家族計画連盟で性教育指導者として訓練を受けたある女性は、IPPFの偏向した姓への考えに驚きを覚え、次のように警告している。「彼女たちにとって性交は、結婚生活や子供を授かるためといった意義のある関係構築のための特別な行為ではなく、ただ単に快楽を求めるためのもので、中絶をするのは滞りなく性の権利を履行するためでである。」(※3)性を解放し、子供達にセックスの快楽を教え、妊娠すれば中絶して大儲けする、それがIPPFの実態だ。IPPFの加盟組織は日本にもある。
 「性と生殖の健康と権利」という日本社会に馴染みのない言葉を使って、性を解放してフリーセックスや中絶に対する罪悪感を抹消してしまったのだ。その結果が「できちゃった婚」であり、安易な不倫や離婚である。それに拍車をかけるように、「家族の多様化」という言葉を通してなんでもありの家族をよしとしてしまった。我が家の娘が高校で使っていた「家庭総合」には、「多様化する家族」と題して次のような記述がある。
 「近年は、結婚して家庭をもつことがあたりまえという考え方から、さまざまな生き方の選択を認め、多様な家族のあり方が受け入れられるようになってきた。夫婦別姓を選択する夫婦、家制度を継承する先祖代々の墓に入るのをさけて、夫婦の墓や共同墓地をつくる人達も増えている。家族に対する柔軟な考え方は、多様な暮らし方を認め合う社会をつくる。親子や夫婦がさまざまな事情で別居しながら、協力関係をきずいている家族や、親族でない者同士が、共同生活者として一緒に暮らしている世帯も特別な例とは受け取られなくなっている。」
 この教科書の監修は神奈川県立かながわ女性センター初代館長である。独身、離婚、母子家庭、同性婚、事実婚、夫婦別姓、なんでもありのオンパレードだ。「家族の多様化」と言えば聞こえは良いが、政府主導による家族崩壊政策に他ならない。その挙句が昨今の少子化である。小手先の対策で長年の教育のツケが解消されるとは思えない。少子化対策には「伝統的家族の素晴らしさ」を子供達に教えることから始めるべきだ。
 第二次大戦後の家族崩壊が国家解体を目論む共産主義者によってもたらされたように、男女共同参画という名の家庭破壊は社会制度や慣習の変革を目論む過激フェミニスト達によってもたらされた。この家族破壊は今でも着々と進行中である。
 ちなみに令和2年度の男女共同参画基本計画予算額はなんと10.4兆円である。「男女共同参画の視点に立った社会制度、慣行の見直し」には6.6兆円もの予算が当てられてある。国の防衛予算と同等の額をこうした見直しに使う必要が本当にあるのか。フェミニストたちが唱える社会制度や慣行の見直しが一体何なのか、国民はもっと目を光らせるべきだ。

3.「連れ去り」という名の家族破壊

「連れ去り」という、この聞き慣れない言葉を初めて耳にしたのは、5年前に関東在住のN氏から彼自身の驚くような体験を聞かされた時だ。
 「東日本大震災後まもなく自宅に帰ると妻が一人娘を連れていなくなっていた。市役所に相談しても支援措置申込書が出されているということで転居先は秘匿にされていた。ようやく妻と娘が熊本にいることを突き止めて会いに行っても警察沙汰にされて会うことも叶わなかった。その後、妻側の弁護士との話し合いで正式離婚が成立し養育費を払っているが娘には会えない。」
 N氏のように、ある日突然配偶者が子供を連れ去り、その後子供に会うことさえ出来ない人たちのことを「連れ去り被害者」という。N氏は妻の軌跡を辿るうちに妻の失踪に「男女共同参画センター」が関わっていることを突き止めた。
 「妻はなにかのきっかけで男女共同参画センターという女性センターに通い始めて性格が変わってしまった。それまでは普通の専業主婦だったのが、センターに行き始めてから夜遅くまで部屋に閉じこもり夫婦間の会話もなくなってしまった。妻が通ったセンターを調べていくうちに、センターでフェミニズム思想に洗脳されてしまったのが分かった。
 妻が通っていた男女共同参画センターの蔵書がその極左ぶりを証明している。ジェンダーフリー(72冊)、マルクス主義(22冊)、従軍慰安婦(167冊)、離婚(384冊)、同性愛(102冊)、夫婦別姓(59冊)、反原発(36冊)、在日(106冊)等々。センターで離婚弁護士を紹介され、弁護士は子供の親権を取るために子供を連れてシェルターに入り、その後DVを理由に行政に支援措置申出書を提出するように指導する。行政はたとえ虚偽であっても支援措置申請書を出されると転居先を秘匿してしまうが、夫側の意見や反論には耳を貸そうともしない。」
 何人もの「連れ去り被害者」と面会したことのある支援団体代表は、ほとんどの被害者がN氏と同様の経験をしているという。こうしたことから、下記のような「連れ去りパターン」が見えてくる。

 ・妻が些細な事で女性センターに相談に行ってフェミニズム思想に洗脳される。
 ↓
 ・妻が子供を連れてシェルターに入り、行政に虚偽DVを申し立てる。
 ↓
 ・離婚を求める訴状が届く。
 ↓
 ・法的な闘争開始。
 ↓
 ・子供に会いに行くと警察を呼ばれるので、別居親は会いに行くのを我慢して調停や裁判を続ける。
 ↓
 ・子供が会いたがっていないなどの理由をつけられ、面会交流できない。
 ↓
 ・何年も経過するうちに「継続性の原理」が適用され、ますます不利になる。
 ↓
 ・子供に会えるならと和解するが会えることはない。

 さらに、別の「連れ去り被害者」はシェルターの実態についても言及している。彼の調査によると、全国の民間シェルターの7割を傘下に置く、「全国女性シェルターネット」は慰安婦の火付け役を自認している日本キリスト教婦人矯風会と深い繋がりがあり、矯風会が運営している中・長期シェルターの所長を務めたこともある人物は、女性国際戦犯法廷を主催した「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの共同代表をも務めた人物だった。
 シェルターに入居体験のある女性によると、シェルターでは子供達は毎日父親の悪口を聞かされ父親嫌いになり、シェルターに入居したというだけでDVの裏付けになるという。女性センターやシェルターで紹介された離婚弁護士の殆どが、「自由法曹団」や日弁連の「両性の平等に関する委員会」に属している左翼弁護士達だ。離婚を成立させ養育費の10%から30%を報酬として受け取る彼ら弁護士にとって、「連れ去りビジネス」はオイシイ収入源だ。
 最近知り合った連れ去り被害者の葛西明光氏は2017年9月に7人の子供全てを連れ去られ、その後出された支援措置の壁が立ちはだかって子供達を探し当てることはできなかった。2018年の宮崎と札幌の家庭裁判所調査官報告書では里子に出されたとのことだが、子供を愛する実父がいるのに他人に渡す権利が行政や司法にあるのだろうか。葛西氏にはいまだに子供の行方も生死さえも分からない。未だ離婚が成立していないので、7人の子供達の親権は全て葛西氏にある。それにも関わらず子供達には会えない。「親権」をもっていることがなんら「連れ去り」の解決にはならないということの証左である。
 こうしてみると「連れ去りビジネス」に関わって配偶者を唆し、家族破壊に勤しんでいるのは、フェミニスト、左翼弁護士、反日似非人減活動家たちであり、彼らに唆された行政や司法であることが分かる。「連れ去り被害者」の中には子供に会えない悲しみから鬱状態になり自殺した人も少なくないと聞く。無理矢理連れ去れて、シェルターに入れられ転校を余儀なくされた子供達の中には登校拒否になった子供もいる。前述の7人の兄弟たちは兄弟が助け合う仲の良い子供達だったというが、里子に出されてその後の消息は皆無だ。
 家族破壊に余念のない左翼活動家たちにはこうした家族の悲しみなどどうでもいいのだろう。自分たちの目的達成のためなら手段を選ばない、それが彼ら家族破壊者たちの実態だ。「連れ去り」の闇はこの上なく深い。

4.国連を舞台にした家族破壊

 第二次大戦後の家族破壊を、民放および戸籍法改正、男女共同参画社会基本法、および連れ去りビジネスに焦点を当てて振り返ってみた。しかし、左翼たちによる家族破壊は国内でのこうした一連の動きと連動するように、国連を舞台にして行われてきたことも忘れてはならない。
 2010年5月に初めて国連欧州本部のあるジュネーブに行き「児童権利条約」の日本審査会を傍聴した。そこには100名以上の左翼活動家たちが押し寄せており、日本における些細な問題さえもあたかも重大な人権問題であるかのように針小棒大に人権委員たちにまくしたてていた。彼らの意見を鵜呑みにした委員たちは日本の伝統文化などお構いなしに、左翼の意見をそのまま日本政府に突きつけるという構図になっている。そのときの左翼の要求の一つが「非嫡出子の遺産相続格差問題」だ。
 この要求を日本政府に突きつけたタイ人委員に、休み時間にこんな質問を投げかけてみた。「非嫡出子と嫡出子の遺産が平等でないのは不公平だというけれど、日本の伝統的家族制度では長男が年老いた親の面倒を見、先祖代々の墓守をする。こうした家族に対する責任のある子供となんら責任のない非嫡出子に同等の遺産を与えることの方がよほど不公平じゃないか。」これに対する委員の返答は「私はそんな日本の伝統など知らない。でも子供には罪はないのではないか。」左翼やそれに唆された委員の頭には、伝統や家族制度の大切さなど微塵もない。
 この遺産相続格差問題は周知の通り、平成25年9月の最高裁で違憲判決が出され、12月5日には民放が改正されている。そのときの最高裁の意見は「家族のあり方に対する国民意識が多様化しており」「諸外国が婚外子の相続格差を撤廃している」という、いかにももっともらしいものだったが、この判決はとりもなおさず「一部過激フェミニストの活動が日本の司法を操った瞬間」であり「国連で暗躍している人権活動家がまたしても日本の家族制度を破壊した瞬間」だった。大多数の日本人の知らないところで、一部左翼リベラル主義者は国連にまで足を延ばして家族破壊に余念がない。
 7年前から一人国連に乗り込み左翼対策をしているテキサス親父事務局の藤木俊一氏によると、こうした左翼活動家の多くがジュネーブに事務所を置き活動しているという。どこからこうした潤沢な資金が出ているのか気になる。男女共同参画の国家予算がこうした活動に流れているとしたら、国民の税金を使った巧みな家族破壊である。(続く)
 
(※1)Christina Hoff Sommers, “Who Stole Feminism” (Touchstone, 1994)
(※2)Sharon Slater, “Stand for the Family” (Inglestone Publishing, 2016)
(※3)The Christian Institute newsletter dated 7 May 2020, “Former sex educator exposes Planned Parenthood ideology”

連れ去り問題報告会(山田宏参議院議員10.11)祖国と青年2019.11

「子供の将来のために正しい解決が行われる法整備を」
―参議院会館で「連れ去り問題」報告会

祖国と青年 2019.11 p49

 去る10月11日、参議院会館において、日本の子供の連れ去り問題を国連に報告する活動を行っている藤木俊一氏(テキサス親父日本事務局)などによる報告会が行われた。
 報告会は、子供を連れ去られた当事者が中心となって、その解決の道筋を探るものだが、エドワーズ氏が指摘するように、一歩間違えれば家族破壊の方向に行きかけない危うさも孕んでいる。ある当事者は「保守の方々にこそ、この問題に関心をもってもらいたい」と話す。
 その声に呼応するかのように、報告会では自民党の山田宏参議院議員が、次のように開会挨拶を述べた(要旨)。

 「この『子供連れ去り問題』について、私も数年前から、こういった事案があることを聞いておりました。藤木さんからは貴重な資料をいただき、今日お見えの方からも、悲惨な実態をつぶさにお聞きしました。
 DVの問題は確かにありますが、一方でそれを利用した形での不当な『子供の引き離し』が行われているという実態は、もっと世の中に知れ渡っていかないといけないと考えております。
 司法の世界には難しい問題もあろうかと思いますが、『親のため』という以上に『子供の将来のため』に、立法府としても正しい解決が行われる法整備を行っていく必要があるという認識を持っています。
 また、これを推進しているシェルターや弁護士の背景を見ますと、だいたい憲法改正に反対し、皇室の男系継承に反対し、慰安婦問題を主張するという、そういう政治的なバックボーンがあることを薄々感じております。
 そういった人たちの思想・信条にあるものは日本全体の社会を破壊していくことに繋がる。という危惧も持たざるを得ず、この問題を放置しておくことはできないと考えております。
 この問題は、まだまだ自民党内ではメジャーな議論になっておりませんが、公正な解決が出来るように一歩でも二歩でもバックアップをさせていただきたいと考えております」

DVを捏造する民間シェルターの問題点 祖国と青年2019.10

DVを捏造する民間シェルターの問題点

祖国と青年 元年10月号52p~
メリーランド州立大学講師 エドワーズ博美

 「連れ去り」と民間シェルター
 「DV避難所支援に3億円 概算要求調整 児童虐待根絶へ」

 これは8月7日付け産経新聞紙上の記事タイトルで、文中には、「内閣府が令和2年度概算要求でドメスティックバイオレンス(DV)の被害者が一時避難する民間シェルターへの支援として、新たに3億1500万円を盛り込む方向で調整に入ったことが6日、分かった。相次ぐ児童虐待事件の背景には配偶者への深刻なDVがあったため、児童虐待の根絶にはDVを減らすことが不可欠と判断した」とある。
 しかし、である。現状、民間シェルターがDV被害者の避難所として機能しているのだろうか。民間シェルターは一体どんな人物が運営して、シェルターではどんなことが行われているのだろうか。こうした疑問を解明することなく、やみくもに予算を投入したところで深刻なDVの解決策になるとは思えない。
 本誌でも何度か紹介した「連れ去り被害者」の一人であるA氏(平成28年2月号 ※こちらの記事および平成30年8月号参照 ※こちらの記事)は、女性センターで洗脳された妻がその後民間シェルターに入り、彼自身、DVの刻印を押されて子供に会えなくなった苦しみを長年にわたって訴え続けている。妻が行方不明になった後、A氏が必死で調べた「連れ去りビジネス」の概要とそこにおける民間シェルターの役割を一連の「連れ去り」の流れに沿って簡単に紹介する。
 
 ・ちょっとした夫婦げんかや子育てに悩んでいる主婦が、図書館などの公共施設のトイレに貼られてあるチラシを見て女性相談所に相談に行く。
 ↓
 ・女性相談所に行くとジェンダー講習会に通わされるが、行政がやっていると思い信用していつの間にかジェンダー思想に染まってしまう。しかし実際は、行政は男女共同参画センターの運営を民間NPOに委託しており、その多くが極左である。関東のある政令指定都市の男女共同参画センターにおける2017年8月時点での主な蔵書は次のような分野にまたがっていることがそれを証明している。ジェンダーフリー(72冊)、マルクス主義(22冊)、従軍慰安婦(167冊)、歴史教科書(114冊)、離婚(384冊)、同性愛(102冊)、夫婦別姓(59冊)、反原発(36冊)、在日(106冊)等々。
 ↓
 ・ほとんどの女性が女性相談所に行ってから3ヵ月から1年以内に子供を連れ去ってシェルターに入る。子供はシェルターに入っている間は学校にも行けず、ひたすら父親の悪口を書かされ、父親は怖い人と教えられる。さらに、入所させて何人離婚させたかで評価されるため、何が何でも離婚させられる。通常シェルターに1ヵ月入れて、その後引っ越しさせ子供は転校させられりる。
 ↓
 ・妻は夫からのDVを理由に行政に「支援措置申出書」を提出して住所を秘匿する。(支援措置申出書の問題点は本誌平成30年8月号参照 ※こちらの記事
 ↓
 ・妻が家出して10日程経つと弁護士から連絡があるが、100%の弁護士が左翼人権弁護士と称される人たちである。
 ↓
 ・すぐに離婚調停を申し立てられるが、虚偽のDVを主張されているので、子供には一切会えない。何年も子供に会えなくなった後、子供に会わせるという条件を鵜呑みにして和解離婚に応じ養育費を支払い始めたにもかかわらず、その後も色々な理由をつけて子供に会えることはない。

 A氏は、「連れ去り被害者」である夫がみな一様に妻が女性相談所や女性センターに行った後、性格が急変したと言っているという。行方が分からなくなった後、役所に行って初めて自分がDV加害者の汚名を着せられ支援措置が出されていることを知るはめになるのも共通している。家出して10日前後とこんなに早く弁護士から連絡があるのも不自然で、最初から女性センター、民間シェルター、そして左翼弁護士が結託して「連れ去りビジネス」に関係している証拠ではないかという。

「全国女性シェルターネット」とは

 さらにB氏(本誌平成30年12月号参照 ※こちらの記事)の調査によると、全国の民間シェルターの7割は「全国女性シェルターネット」の傘下にあり、この団体の住所は平成26年まで日本キリスト教婦人矯風会と同じであったという。全国女性シェルターネットの元代表が矯風会の元理事だったりすることもあり、全国女性シェルターネットが矯風会の傘下団体であることは間違いないとB氏は言う。
 それでは矯風会とはどういう組織なのだろうか。矯風会のホームページには「矯風会、1886年の創設以来キリスト教の精神に基づき女性と子供の人権を守り、その福祉への貢献を目標に掲げ努力してきました」とある。さらに「経済的困難や暴力被害から逃れてくる女性や子どもを守るためのシェルターの運営にも一層の責任を果たすべく、取り組んでいます」とあるように、緊急一時避難シェルター「女性の家HELP」と、中・長期シェルター「ステップハウス」も運営している。
 表向きは困っている女性の支援団体のように思えるが、本当にそうなのだろうか。B氏によると、矯風会は「慰安婦問題」の火付け役を自認しており、昭和63年頃から慰安婦問題にかかわるようになったという。さらに平成14年から23年までステップハウス所長を務めていた東海林路得子は、従軍慰安婦問題を取り上げた女性国際戦犯法廷を主催した「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの共同代表も務めた人物だ。元慰安婦の韓国人女性と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などによる日本政府に対する抗議集会「水曜デモ」も支援している。親北組織である挺対協と協力関係にあること自体に矯風会のいかがわしさが滲み出ている。
 これでは女性や子供の人権問題という美名の下に反日活動に勤しんでいる団体としか言い様がない。表向きは女性の人権を声高に叫び、裏では反日活動に邁進し、そしてシェルターでは女性にはフェミニズム思想を植えこんで家族破壊をしている、これが民間シェルターと称するものの実態である。
 さらに、こうした特定思想に冒された人達は平気で真実を歪めDVを捏造するということも忘れてはならない。下記はその一例である。
 千葉松戸裁判の一審判決で勝訴した原告側の夫は、判決後、妻側弁護士に謂れのないDVの濡れ衣を着せられ二審判決では「継続性の原則」を理由に敗訴した。その後、こうした虚偽のデマを流布したということで「全国シェルターネット」共同代表他、相手側弁護士らを名誉棄損で刑事告訴している。
 「全国女性シェルターネット」がどのような名誉棄損をしたのか。2017年3月号のリベラルタイムは次のように記している。
 
 ……昨年行われた相談員研修会~DV被害者について学ぶ~で全国女性シェルターネットはこの裁判の判決を妻の勝訴としたいために、高裁に圧力をかけようと署名活動を実施した。これは内閣府主催の講演会で、講師は全国女性シェルターネット理事の近藤恵子氏。国費で行う講演会で、NPOがそうした訴えをしていいのだろうか。
 この際に配布された文書には「夫からの暴言、暴力、精神的虐待、経済的虐待等から結婚4年後に別居」等と裁判では事実と認められていない記載がある。事実がねじ曲げられている。この団体が前述裁判に血道をあげるのは、奈辺にあるのか。

 「連れ去りビジネス」や反日活動にかかわり、目的達成のためなら恥ずかしげも無く捏造を繰り返す、これが多くの民間シェルターの実態だ。
 確かに、世の中には配偶者の暴力に悩んでいる人がたくさんいる。そうした人達にとってはシェルターは暴力からの逃げ場としての役目を果たしているのも確かだ。まず、政府が本腰を入れるべきは、警察と連携した公営シェルターを充実させること。そして、「連れ去りビジネス」の連鎖を絶つためにもDVの定義を厳格化して、虚偽DVを訴えた親から親権を剥奪し、それを教唆した弁護士から弁護士資格を剥奪することから始めるげきではないのか。それでも民間シェルターの手が必要であれば、民間シェルターが前述したような反日、フェミニズム思想に冒されていないか監督責任を果たすべきである。DV被害者が救済できないのは、民間シェルターに資金力がないのではなく、彼らの目的が家族破壊だからだ。こうした反日活動や家族破壊に余念がない左翼団体にさらなる資金援助をするなど、愚の骨頂としか言い様がない。
 アメリカではDVや児童虐待はとかく社会の中で孤立した家族に起こりやすいという統計が出ている。昔のように親兄弟、祖父母が周りにいて、地域社会の絆や連携が強い社会ではDVや児童虐待は起こりにくい。今、まさに求められるのは強い家族と地域社会の復活である。政府にはこうした目的のための支援をして欲しいものである。

 

我が子に会いたい 祖国と青年2018.12

わが子に会いたい親子断絶を助長する司法の問題点

祖国と青年 30年12月号 p44~
メリーランド州立大学講師 エドワーズ博美

「連れ去り」は子の利益?

 目の前に一本の動画がある(https://youtu.be//FlrOUmOddMw ※掲載当時のURL)。8年前撮影されたその動画の中で、泣きじゃくる2歳のわが娘に父親が詫びるように言っている。「ごめんね、またすぐ来るから」「お仕事で会えないけど、パパまたすぐ来るから」
 仕事で出張する父親がそれを寂しがる娘にかけた何気ない言葉のようにも聞こえるが、ひとつだけ決定的に違うのは、この父親っ子だった幼子はこの動画が撮影された三か月前に急に父親から引き離され、久しぶりに会ったこのときも自分がまた父親から引き離されることを察して泣きじゃくっているのだ。そして、この父親は8年経った今も未だわが子に会えていない。
 本誌平成28年2月号と30年8月号の二回にわたって、「連れ去り被害の実態」をレポートしたが、この父親(B氏)も同じく配偶者に娘を連れ去られ可愛いわが子に会えないでいる連れ去り被害者の一人である。
 前回の記事ではA氏の事例を参考に「各地の女性センターが離婚を奨励する離婚斡旋所になっている現状」と「行政が発行する支援措置が冤罪DV加害者を作り上げ親子の断絶を助長している現状」を報告した。A氏の場合、冤罪DV加害者に仕立てあげられたあと行政が壁のように立ち塞がり娘に会うことができなかった。B氏の場合は司法が親子断絶を助長している。
 ある日突然、配偶者が子供を連れ去り我が子に会えなくなってしまう。やむを得ず親権を得るために調停や家事審判手続きに入った場合、一体裁判官は何を基準に審判を下すのだろうか。離婚問題に詳しいとされるある弁護士は「子供を連れて家出しても裁判に不利にならないのか」という質問に対して次のようにブログに記している。

 

  • 別居が避けられない状態になっている夫婦では双方にストレスがかかっていて、子供の心身の健やかな成長にも悪影響を及ぼしており、夫婦が別居することが子供にとっても良いことが多い。どちらの親と住むかは別にして別居は「子の利益」にも繋がるといえる。子連れ別居を強行したとしても、やむを得ないこと、子の利益につながることをしたという面がある。
  • 別居期間が長引くと「子供は今の親との生活に馴染んでいる。何度も環境を変えるのは子供の利益にならない」という判断から、同居親が親権者として有利である。子供と離れて暮らしている親に、別居前に主に養育していて監護実績があり経済力もあるとしても不利になっていく。
  • 別居した場合、子供は同居している親との生活環境に馴染んでおり、他方の親とは完全に離れた生活を送っている。それを突然変えることは子の不利益も大きい。そのため、別居親による連れ去りは相手方の同意がない限り原則として違法とされ、親権者としては不利になる。

 要するに、最初に子を連れ去り何年ももう一方の親と子の関係を断絶した親は無罪放免で、それを理不尽に思う親が連れ戻そうとした場合は違法という、まことにおかしな構図ができている。裁判官らは離婚を考えている夫婦にとっては連れ去りも「子の利益」と言うが、泣きじゃくるB氏の幼子を見て、それでも「子の利益」といえる人は人間の心のかけらも持ち合わせていないと言わざるを得ない。

「子供を連れ去った者勝ち」の二審判決

 B氏の親権を巡る裁判の一審判決は、この構図を改める画期的なものであった。家裁の裁判官は「長女が両親の愛情を多く受けるためには多数の面会を約束した夫に養育されるべきだ」と判断し、父親と娘との面会交流を月一日しか認めない(しかもその時点で5年間、一度も娘を父親に会わせなかった)母親よりも、母親と娘との年間100日の面会交流を提案した父親を親権者とした。しかし、勝訴判決の後、母親側弁護士がありもしないDVを声高に主張し、父親にDV加害者のレッテルを貼ってしまった。そのあげく、二審では敗訴した。二審である高裁での判決基準は、前述した「子供は今の親との生活に馴染んでいるから、環境を変えるのは子供の利益にならない」というものだった。
 せっかく一審で覆された構図が二審ではまた元の「子供を先に連れ去った者勝ち」という非道な構図を支持した形になった。前例を踏襲した事なかれ主義の判決である。しかしこうした判決には子供の成長にとっては両親の存在と愛情が欠かせないという考えが完全に欠落している。
 また一男二女を連れ去られた父親(C氏)は最初こそ長男の親権を与えられていたものの、親権を行使して長男の学校と関われば関わるほど子供の母親に疎まれ、ついには親権を失い、「子らの意向」という名目で死刑囚でも月複数回の直接、間接の交流が認められるのに、現在「2か月に1回」の手紙による交流しか認められていないという。C氏もまたこうした裁判官の審判を次のように批判している。「国民の奉仕者たるべき裁判官に、親子関係維持・回復の意識なく、どうせ他人事、判決がその後の国民に与える影響の責任は問われまいと、平気で民法766条に反し親子断絶を促進している」
 2011年に娘を連れ去られたA氏はその後和解し、和解時に月1回の面会交流の約束をして2015年に正式離婚した。それでも会えないので2016年に面会調停を申し立てたが、そのすぐ後で娘が「アスペルガー症候群」であるという偽りの診断書を出されて面会拒否された。2017年に面会調停から面会審判に切り替えたが、裁判官は一言「元妻と2人で協議してくれ」と言ったのみで何の進展もない。ここでも裁判官の事なかれ主義が父子の再会を阻んでいる。

離婚弁護士による家族解体を許すな

 興味深いことに、彼ら「連れ去り被害者」の元妻の弁護士はどれも共産党系かフェミニストである。こうした離婚弁護士の頭には「家族の大切さ」などと言った言葉は存在しない。離婚弁護士は、子供を先に連れ去り、虚偽のDVを主張し、何年も親子の間の関係を引き離せば、裁判官が親権をくれることを母親に教唆し実行させる。最愛の子供を奪われた上に全く身に覚えのないDVで裁判所に訴えられたら、どんな温和な男性であっても怒るであろう。しかし、離婚弁護士からすればそれで良いのである。夫婦でお互いに罵り合い「別居が避けられない」状態にしなければ裁判にならない。仲直りなどもってのほかである。そして、めでたく離婚を成立させると成功報酬(財産分与の20%)や養育費の10%が彼らの収入として入るので、こんなおいしい話はない。彼ら左翼弁護士にとっては子供のために協力し合う夫婦の姿は唾棄すべきものでしかない。彼らは、男女関係をお互いに助け合う関係とは決して見ずに、闘争関係としてしか見ず、闘争にいかに勝利するかしか頭にない。親子を断絶させることで、親や子がどんなに傷ついているかなど一切お構いなしだ。夫婦の間で子供を先に拉致した者勝ちなどという非道な構造を作り夫婦を戦わせ、家族を解体し、それによって金儲けしている。人間がする所業ではない。
 我が子に会いたくても会えないでいる「連れ去り被害者」である父親たちが異口同音に望むことがある。それは、

  • 法改正して、諸外国のように離婚後は片親にのみ親権を与えるのではなく、両方の親に親権を与える共同親権を採用すること。
  • DV加害者としてのレッテルを貼られて罪も無い父親が苦しまないように、DV法を改正してDVの定義を厳格にする。その上で、DV被害があったと主張する場合は警察もしくは第三者機関が介入して調査をすること。
  • 「子の連れ去り」は「実子誘拐」であり「拉致」であることを認識して、諸外国のように犯罪扱いにして罰則を科す。なお、虚偽DVを主張した親には原則、親権を付与するべきではない。

 戦後、家族条項が憲法から消え、それに添う形で民法からも家父長制が削除され個人主義が蔓延する世の中になってしまった。家族制度という言葉も死後になりつつあり、離婚増加に歯止めがかからない。離婚した親の子は結婚しないか、しても離婚を繰り返す確率が高くなるという調査結果がアメリカではすでに何十年も前に出ている。また、連れ去られた子供がその実母と継父により殺される痛ましいケースが連日ニュースになっている。殺された子供が実父と定期的に会えていれば救えていた可能性は高い。加えて、子供を拉致された親の多くが、それを苦に自殺に追い込まれている。日本の家族制度は、離婚弁護士らにより完全に解体の危機に瀕しているといえる。安倍政権が「戦後レジュームからの脱却」を目指し、少子化対策に本気で取り組む気があるなら、まず第一に取り組むべきは家族の再生である。
 そして日本の家族再生のためにはまず前述したような悪徳弁護士を処罰することから始めるべきである。

虚偽DVによる連れ去り被害の実態 祖国と青年2018.8

虚偽DVによる子供連れ去り被害の実態

祖国と青年 30年8月号 P40~
メリーランド州立大学講師 エドワーズ博美

離婚弁護士にそそのかされて

 本誌平成28年2月号で、各地の女性センターが離婚を奨励する離婚斡旋所になっている現状と、妻が女性センターに行ったあとに娘を連れて行方不明になり、虚偽でありながらDVの刻印を押されたA氏を紹介した。A氏はその後、娘と再会して家族を取り戻すことができたのだろうか。A氏のその後と彼が執念をかけて調べた配偶者による子供の「連れ去り」の実態を紹介したい。
 当時A氏は虚偽のDVで加害者のレッテルを貼られ、役所に行っても妻の転居先は住所非開示になっており、ようやく捜し当てて娘に会いに行ったが妻に警察を呼ばれ、一年半ぶりに再会した娘とゆっくり父子の会話をすることも妻と話し合いすることもできなかった。そのすぐあと、妻は離婚弁護士にそそのかされ再度転居し、嫌がる娘を無理矢理転校させて再び行方不明になってしまった。
 後でA氏が妻に聞いたところによると、娘は転校先の小学校に妻と二人で挨拶に行った翌日から不登校で、小学校卒業後も一度も中学校に行くことなく義務教育を修了してしまったという。今は引きこもってほとんど部屋から出ることもなく、高校進学を断念してしまった。
 以前娘が通っていた小学校の校長先生はA氏に、娘はその学校では非常に真面目で一日も学校を休まず友達もできていた、と証言する。不登校になったのは無理矢理転校させた母親に対する暗黙の抵抗ではないか、ともその校長先生は言っていたそうだ。優秀な一人の子供の将来が、離婚弁護士とその弁護士の言葉にそそのかされた母親によって無残にも踏みにじられてしまった。
 娘を案じながらも父親が調べた無慈悲な連れ去りの実態の一端をここに紹介したい。

「支援措置申出書」の問題点

一般の人には馴染みが薄いが支援措置申出書というものがある。正式には「住民基本台帳事務における支援措置申出書」と呼ばれる。冒頭の本誌記事でも紹介したが、女性がなんらかの理由で配偶者暴力支援センター等に行くと、支援センターでは相談を受けたという事実だけで証明書を発行し、妻がこの証明書をもって自治体の窓口へ行き支援措置申出書を提出すると、夫の意見も聞かず事実確認もせずに一方的に夫をDV扱いにして妻の住所を非開示にしてしまう、というものだ。A氏は行政で色々な人と話をして、この支援措置申出書の問題点のいくつかを下記のように証言している。

  • 加害者であるとされる配偶者に会って話をしていないので100%安全だと判断できないために支援措置を出してしまい、片方からしか話を聞かないため、たとえ口論であっても「怖い」と言えば要支援という判断になる。
  • 支援措置自体が支援を求める方の新たな被害を防ぐのが第一目的で、加害の事実確認をするような制度ではない。それにもかかわらず支援措置申出書が出されると、行政、警察、学校は「加害者」「被害者」という言い方をする。行政は緊急的処置だというが、その後も事実確認の調査がされることは一切ない。
    *役所に虚偽DVで「加害者にされたこと」に対する審査請求をしても、役所の職員すら支援センターでの相談内容を知ることも教えてもらうこともできないシステムになっている。それゆえ、行政に審査などできないのである。
  • 支援措置を出すと、住所非開示、生活保護、公営住宅への優先入居等の手厚い対応を行政がしてくれ、理由がなんであれ離婚したい女性にとっては非常に有り難い制度といえる。一般的にはこのような制度があることは知られておらず、連れ去り弁護士が指南しているとしか思えない。妻もそうであったように、弁護士の言うとおりにすると役所がこのような対応をするため、自分は被害者だと思い込み弁護士を信用してしまう。
    *裁判所の保護命令は双方から話を聞き、医師の診断書などの事実に基づいて裁判官が判断し、二割近くが認められないで「却下」「取り消し」判断が出される。その反面、支援措置申出書の相談証明書を作成する民間NPOや相談所の相談員は無資格者で、こうした無資格者が「要支援」の判断をし、それを受けた役所は事務的に支援措置を出している。こうしたことから、連れ去り弁護士や女権団体等は裁判所の保護命令が出る可能性が低い場合に「便利なツール」として行政の支援措置を悪用する。

要するに、たとえそれが虚偽のDV申し立てであろうと、「加害者」とされた側がそれに不服を申し立てて撤回するためのシステムは一切構築されていない。そして支援措置を出されたという事実だけで、警察や学校、それに行政からDV加害者というレッテルを貼られてしまう。A氏は和解離婚に応じれば子供との面会ができると思い数年後に正式離婚した。しかし何年も面会交流ができないことから面会交流調停を申し立てたところ、「娘が精神障害であるから」という理由で面会を拒否された。その後なんら進展はない。
 A氏のような「連れ去り被害者」にはいくら子供に会いたくても、行政制度や悪質弁護士たちの厚い壁が立ちはだかり、何年も我が子を抱きしめることもできずに悶々と日々を送る道しか残されていない。「もう七年近くも子供に会えてないんですよ」と言っていたA氏の悲痛な訴えが耳から離れない。またそれは裏を返せば、何年も実の父親に会えていない子供がいるということだ。
 今年4月25日に名古屋地裁において、妻がこうした虚偽DVを主張しそれを調査せずに警察が事実と認めたのは名誉毀損であるとの夫の提訴に対する判決が言い渡された。判決で裁判長は「妻側の主張するDVは診断書などがなく誇張された可能性がある。妻は子供と夫の交流を断つ意図で支援を申請したと認められ制度の目的外使用だ」と認定し、妻と県に対して賠償命令を出した。支援措置の制度的な欠陥が司法により初めて認められた画期的な判決といえる。さらにA氏によると、この妻の弁護士も有名な連れ去り弁護士で、自由法曹団や日弁連の両性の平等委員会に属しているという。
 しかしながら、こうした支援措置申請書が一体何件出されて、A氏のような虚偽DVを訴えられた「連れ去り被害者」が一体何人いるのか、総務省、男女共同参画局さえ把握してない。ある関東の市議の調べでは、支援措置発令件数が平成28年の一年間だけで1515件にのぼるという市もあった。全国規模にすれば相当な数がいることが想像される。
 最高裁判所資料によれば、全国の保護命令発令件数は平成26年の一年間2528件に過ぎない。上述の市が政令指定都市とはいえ、一つの都市で全国の保護命令件数の六割もの支援措置が出されれば生活保護費も支給され膨大な国民の血税が投入されているのに、全国で何件の支援措置が出されているかすら把握できていないのは行政の怠慢である。

連れ去り弁護士は家族破壊を目論む極左思想の持ち主

 「連れ去り被害者」1000人以上と面会したことのある支援団体の代表は、ほとんどの被害者がA氏と同様の経験をしているという。こうしたことから、上記のような「連れ去りのパターン」が見えてくる。

些細なことで女権団体などに相談に行く → フェミニズム思想に洗脳される → 配偶者が子供を連れ去り虚偽DVを申し立てる → 離婚を求める訴状が届く → 法的な闘争開始 → 子供に会いに行くと警察を呼ばれるので別居親は会いに行くのを我慢して調停や裁判を続ける → 子供が会いたがっていないなどの理由をつけられ面会交流できない → 何年も経過するうちに「継続性の原則」が適用されますます不利になる → 子供に会えるならと和解するが会えることはない

 こうしたパターンから、連れ去り弁護士がマニュアルを作って連れ去りを指南している、との指摘もある。それでは連れ去り被害者の前に立ちはだかる連れ去り弁護士とは一体どんな人たちなのだろうか。A氏は彼の妻が餌食になった弁護士に関しても詳細に調査している。
 A氏によると、この弁護士は「韓国人従軍慰安婦」「歴史教科書」「朝鮮人強制連行」問題などを担当したことがあり、「九条の会」「官邸前見守り弁護団」「日の丸・君が代強制反対」等を主張する団体、および「自由法曹団」や日弁連の「両性の平等に関する委員会」にも所属している。自由法曹団は共産党系の革新弁護士グループで、両性の平等に関する委員会は婚外子差別廃止や選択制夫婦別姓等を実現するための民法改正に向けて活動している弁護士グループだ。まぎれもない左翼思想の人物である。
 こうした極左思想の弁護士がA氏が居住する市の「男女共同参画審議会」や「DV施策推進会議」の委員も務めている。男女共同参画やDV法が表向きは女性のための活動のように装っているが、実際は家族破壊を目論む極左思想の人たちの隠れ蓑でしかないことがこうした人選にも表れている。
 A氏は妻が家出して一週間後に弁護士から電話を受け取り、「妻が離婚を決意している、話し合いはできない」と言われたという。妻が女性センターを訪れた直後にすでにセンター側は極左弁護士を紹介し、着々と離婚訴訟を計画していたのである。その挙句、子供が犠牲になり、夫がDVの汚名を着せられ不公平な扱いを受けることなど端から眼中にないのである。男女共同参画しかり、慰安婦捏造しかり、日の丸・君が代反対しかり、これらはすべて目的のためなら手段など択ばない左翼の仕業である。連れ去り被害者は家族破壊に勤しむ左翼の被害者に他ならない。

虚偽DVを申し立てた配偶者や悪質弁護士には罰則を

 2001年にDV防止法が制定され、「女性に対するあらゆる暴力の根絶」をスローガンに配偶者からの暴力、特に夫から妻に対する暴力に焦点があてられるようになった。
 しかし、とA氏は指摘する。「中学生の自殺率は10万人あたり2.83人、15歳から19歳の女性の自殺による死亡率は10万人あたり5.5人、交通事故死亡率は10万台あたり5.45人である。それに比べ配偶者による殺人発生率は10万人あたり0.09人で、平成26年の夫婦間の殺人は年間157件でそのうち4割以上は妻から夫に対するものである。こうした統計にかかわらずなにゆえ配偶者の暴力のみに焦点があてられ、それも夫から妻に特化した暴力がこうまで注目される必要があるのだろうか」
 さらに、A氏が話したある交番の巡査は次のように言っていたという。「最近は何でもないことで何度も相談に来られて、非常に忙しくなっているが、命の危険があるようなケースは1000人に1人もいないのが実態だ。女権団体や弁護士が警察に行くように教えているのだと考えられる。男女共同参画は中核派が推進している。我々警察は公安から情報が入ってくるので知っているが学校や行政は知らない。行政は縦割りなのでこういう情報は共有されない」
 昨今のように些細な事をDV被害にする風潮のせいで、警察が忙殺され本当にDV被害を被っている人を救済できないでいる。そして、1人の正真なDV被害者に対して999人の冤罪被害者が大量生産され、多くの親子が生き別れにされている。DV加害者のレッテルを貼られた人のなかには、精神に異常をきたした人や自殺した人も大勢いるという。手段を選ばない連れ去り弁護士による離婚ビジネスが新たな不幸を増産している。それは母子家庭になったことによる貧困であったり、片親から引き裂かれ将来を奪われた子供であったり、DVの汚名を着せられた夫であったり様々だ。まさに負の連鎖だ。
 こうした負の連鎖を断ち切るためにも、DV法を見直し、DVの定義をもっと厳格にして、虚偽DVを申し立てた配偶者や悪質弁護士に対して厳しい罰則を科す必要がある。連れ去りは左翼弁護士による家庭崩壊工作であることを肝に銘ずる必要がある。
 今、A氏は娘の自殺を真剣に心配している。虚偽DVで娘と生き別れになり、優秀だった娘は友達もいないで精神が病んできている。15歳から19歳の女性の自殺による死亡率は10万人あたり5.5人である。家族が崩壊させられ孤独な人生を余儀なくされている彼の娘がその一人になったら、一体誰が責任をとってくれるというのか。
 北朝鮮による拉致問題が世間の耳目を集めているが、「子供の連れ去り」は国内における拉致問題であることも忘れてはならない。